泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

黙ってやり直されると後味悪い

以前私が投稿した記事の中に「言われているうちが華」と言う記事があります。

 

前の職場に勤めていた時に書いたもので、このブログの初期も初期の頃の記事です。

気になった方は是非リンク先を踏んで読んでみてください。

言われているうちが華👇

https://nakimusi.hatenablog.com/entry/2020/12/16/104614

 

時間がない方のために、簡単にこの記事の説明をすると、何か指摘を受けた時は反抗したくなるけれど、できてないことを自覚しないまま我が物顔で仕事してる大馬鹿野郎になるより100万倍マシだからグッと堪えて、次言われないように気をつけましょう。と言う内容です。

 

その時私は、大した問題じゃないんだから黙って直してくれればいいのにと思ったことを書いてます。

 

偉そうにも程がありますね。

 

しかし、本当にそれで良いのか?と思う出来事があったので、今日はその黙ってやり直されることについて話していきます。

 

*

 

パンダは5連勤で疲れていた。

その証拠に、休みに入る前には、あれをしよう、これをしようなんてToDoリストを頭の中でいくつか作成していたが、いざその休みが来ると、そのリストは一個も遂行されることなく破り捨て去られた。

「なんのやる気もでない…。」

唯一やったことといえば、ストーブをつけることと、好きな芸人さんの最新動画をチェックすることと、ご飯を作って食べること、くらい。

毎日やっていた勉強も、今のところまだしていない。

「洗い物溜まってるわよ。」

「あー、そうだった。」

セバスチャンに言われパンダは、ノタノタと流しの前に立つと、ダラダラと洗い物を始めた。

「冷たっ。」

冬の水道水が手の甲を刺す。

「ゴム手袋したら?」

「面倒だからいい。」

さっさと終わらせたいパンダは、そのまま冷水から温水に変わるまでの間で洗い物を済ませ、乾燥台の上に置いた。

その中には、前日カレーを入れていたタッパーもあった。

 

数時間後、両親が帰ってきた。

母が知り合いからもらったオレンジを切るためにキッチンに立っていた。

そしてそばにあったタッパーを徐に洗い出した。

たまたまその姿が目に入ったパンダ。

(お湯になる前に洗ったから、油戻りしてたんだ…。)

やばいと思いつつ、そのまま母は黙ってタッパーを再び乾燥台に置いた。

 

「なんとも言えない罪悪感と、後味の悪さから居ても立っても居られなくなって、ちょっとお風呂っていって逃げたわ。」

ドライヤーで髪を乾かしながらパンダがそんなことを言う。

「やっぱり言ってもらったほうがいいでしょ?」

「間違いないね。」

うんうんと頷くパンダ。

「黙ってやり直されると、知らないうちは良いんだけど、その姿を見ちゃうとあ、出来てなかったんだ。ってショック受けるし、それを指摘されないが故に、自分には言っても無駄だって見放された気になるのよね。」

「自分が至らなかったせいで、いらぬ手を煩わせてしまったって申し訳なくなるしね。やっぱり言われてるうちが華だったよ。」

もう2度とあんな後味の悪い体験はしたく無いと思ったパンダは、今後カレーのついたタッパーはお湯で洗うことを強く誓ったのであった。

 

*

 

カレーのついたタッパー事件に限らず、何か自分がやらかしたと思うことは、2度とそんなことがないように対策して、実際にミスをなくしていくことが重要です。

 

それがどんなに小さなことであっても。

 

だからその対策を練るためにも、自分ができてなかったことは指摘してもらえるほうがありがたいのです。

 

もちろん、指摘を受けてイラッとする気持ちはわかります。

でも、黙ってやり直された事実を目の当たりにした時の後味の悪さを経験せずに済むと思ったら、その怒りはすぐに収まりやがて感謝の気持ちにつながることでしょう。

 

母には後で、温かいコーヒーを淹れて感謝の気持ちを伝えようと思います。