泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

198円で買える幸せ

甘いものを食べると、イライラが飛んで幸せな気持ちになるってよく言われてますよね。

 


機嫌が悪い女の子にも、甘いものをプレゼントしたらすぐに機嫌を直してくれる。

一部の女子にはお菓子よりも言葉をプレゼントするの方が手っ取り早いのかもしれませんけど。

 


そんな私も仕事で疲れた時や、何だかイライラした時は甘いものが食べたくなります。

 


ふわふわのスポンジケーキや、まろやかな生クリーム、濃厚なカスタードがぎっしり入ったシュークリーム、重量感のあるチーズケーキ…

とにかく甘いものを食べたら、ちょっとしたイライラなんてアンパンマンの古い顔と同じくらいどこに行ったのかわからなくなります。

 


今日はそんな甘い物を食べることについてのお話です。

 

*

 


1/29。現在の職場で初の日勤5連勤を終了したパンダは、なんとも言えない疲労感と達成感を身に纏って帰路についていた。

「分かってた。分かってたよ。1ヶ月働いて無かったんだもん。金曜日に干からびることくらい覚悟はしてたよ。」

1ヶ月の無職期間で、見事グータラを極めた体に蓄積された疲労困憊の程度は、パンダの思ったよりも遥かに強かった。

「仕事が特別キツイとか、しんどいとかは無いんでしょ?」

「もちのろん。別に職場の人はいい人ばっかりで楽しいし、目の保養には事欠かない職場だけど、やっぱり医療現場だからね。バタバタしてたら体力使うし、根気がいる仕事だよ。」

やはり仕事というのは、例えどんなにいい人に囲まれていようとも、どんなに楽しい職場であっても、どんなにニヤニヤしてしまうほどのイケメンがいようとも、毎日やっていれば当然疲れるものだ。

「明日から2連休なのが救い。でも、それ明けたらまた日勤連勤が続くんだよねー。」

明日から休みだというのに、もう次の勤務のことを考えて、やれやれとため息をつくパンダにセバスチャンはとある提案をする。

「じゃあ、せめて今日まで頑張ったご褒美と、これからくる連勤を乗り切るための糧として幸せでも買いにいきましょうか。」

幸せを買いに行く?

「幸せはお金じゃ買えないんだよ。」

「それは買ってから決めたら?」

そう言ってとあるコンビニにパンダを連れていく。

中に入って向かった先はスイーツコーナー。

ははん。なるほどね。と思ったパンダ。

「甘いもの食べて、疲れを吹っ飛ばすって作戦ね。」

「ピンポン。」

疲れた体には甘いものが1番という意味を込めてそう答えるセバスチャン。

「私はそんな単純な女じゃ無いわよ。」

と言いつつ、パンダは大好物のバスクチーズケーキの小袋を手に取ってレジに並んでいた。

会計を済ませてコンビニの袋をぶら下げてルンルンで家に帰ると、早速パンダはそのバスクチーズケーキの封を切り、備え付けのスプーンを使って一口食べ始めた。

「はーん、美味しいー!幸せ〜。」

ニコニコと美味しそうに小さなケーキを食べるパンダは、どうやら単純な女に違いなかった。

 

*


甘いものを食べると血糖値が急激に上がるので、そのおかげで体内のセロトニンという幸せホルモンが増えて幸福感を得ることができるようです。

 


ここで冷めさせてしまうようで申し訳ないのですが、大事なことなので一応言っておきますと、この幸福感は一時的なもので、甘いものに頼りすぎるともっともっととスイーツ依存症になってしまったり、逆に疲れやすくなるので注意が必要です。

 


なのでほどほどにすることが大事なのですが、よく頑張った自分へのご褒美として、即席の幸せを与えると意外と「あ、明日からも頑張れそう。」と思うことが出来ます。多分。

 


少なくとも私は。

 


そこのあなた。ちょっと疲れていませんか?

一緒に甘いものでも食べませんか?