泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

逃げるが勝ち

先日、【逃げるは恥だが役に立つ がんばれ人類!新春スペシャル】が放送されていました。

もともとこのドラマをみていた私は、妄想癖が強く、現実的で合理的な考え方をする主人公に自分を重ねてみてたので、まるで自分が偽装夫婦をしている感覚になるほど、感情移入してみていました。

 

そんな逃げ恥が放送されたのも5年前。

当時、専門学生だった私は、今日で24歳になりました。

 

余談ですが、この時の石田ゆり子さん演じる、美人で仕事もできて部下との接し方も上手い「ゆりちゃん」という役が心底好きで、その影響で石田ゆり子さんのプチファンになりメイク本を買いました。

 

このドラマのタイトルにもある逃げるは恥だが役に立つという言葉ですが、これはハンガリーのことわざみたいです。

日本で逃げのことわざといえば、逃げるが勝ち。

 

今日はそんな、逃げるが勝ちについてのお話です。

 


*

 


パンダが仕事をしていると、細かいことをいちいち口出しをしてくる先輩がいる。

『それやる前にちゃんと考えた?』

考えたし確認しましたけど。

『なんでそれやってないの?』

さっき、それは後でいいって言ってましたやん。

『私の言っている意味わかる?』

言ってること伝わってるからその言い方辞めて。

『前にも同じこと言ったよね?』

一回しかやったことないから自信なくて聞いただけなんだけど。

『そんなの普通そうでしょ?』

あなたの中の普通でしょ?

 

 

 

「しかもその先輩一回言い出すと長いの。何回も同じこと言ってくるし。」

パンダはその先輩のことが嫌いすぎて鬼瓦と呼んでいる。

一度注意が始まるとその先輩が鬼のように怖いことと、顔がそのまま鬼瓦に似てるから、と言う理由でそう呼び始めた。

「話長くて常に怒ってくる先輩ねー。そんな人と一緒に仕事してたら息が詰まりそう。話聞くだけで頭痛くなる。」

「一緒のメンバーだから毎日顔を合わせるし。明日仕事行きたくなーい。」

パンダが新人である以上、先輩方から厳しい指摘を受けることはある程度仕方ないことなのかもしれないが、毎日毎日、何度も何度も嫌味な指摘を受けては溜まったもんじゃない。

日に日に疲労感と、嫌味に対するイライラで頭痛が酷くなる。

「そういう時は逃げることね。」

「え?逃げちゃうの?」

「そう。話聞いてる限りその先輩の言ってることってなんの有益性もない無駄なことよ。面白かったらまだいいけど、そうじゃないんでしょ?だったら逃げた方がいいわ。」

なかなかバッサリ切り捨てるセバスチャンである。

「逃げるって具体的にどうするの?」

「顔を合わせないように別の部屋に行ったり、トイレに行ったり。何か言われても無視して別の場所に行くのもありね。一生懸命仕事してても、その先輩の目につくところにあなたがいる以上、何やっても言われ続けるわ。その人は何かしら言ってスッキリしたいだけなんだから。要はストレス発散のためのいいサンドバックね。そんなお役御免でしょ?だったら、視界に入らないようにふらっと消えるの。」

「それって、こっちが注意されない?」

怒られてこれ以上脳神経に負担をかけるわけにはいかないパンダが不安そうにそう聞く。

「いいじゃない、別に注意されたって。すみませーんって言ってしまえば収まるでしょ。逃げるが勝ちってこと。」

「つ、強いな。」

「別に強くなんかないわ。真面目に付き合う必要ないってだけ。」

 


*

 


もちろん注意されたことを真摯に受け止め改善することも大切ですが、心ないただ言いたいだけの文句にわざわざ付き合う義理は一体どこにあるんでしょうか?

 


自分の貴重な体力を、他人のストレス発散などというふざけた行為によって削られては、いいパフォーマンスはできません。

 


自分を頼ってくれるクライアントのためにも、嫌味な先輩からの攻撃は、一度無視して逃げることも社会で生き残っていくための大切な戦略だと思います。

 


私たちは奴隷ではないのだから。