泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

皆勤賞

毎日コツコツ。

特別頭が良くなくても、運動神経が人より劣っていても、皆勤賞というものは誰にでももらえるチャンスがあるものです。

 


だって毎日学校なり、会社なりに行けばいいだけですから。

 


簡単ですよね。

 


でもそんな簡単なことが、私には出来ませんでした。

 


そんな簡単なことがどうして出来なかったのか。

 


今日はそんなお話です。

 

*


明日からいよいよ新しい職場で働き始めるパンダ。

職場に持っていく資料に抜けがないか、最終チェックをしている時、ふとこんなことを言い出した。

「皆勤賞ってどう思う?」

「どう思うって凄いことなんじゃない?」

セバスチャンの答えに、「やっぱりそうだよね。」とため息混じりに小さく頷くパンダ。

「なんだか納得いってないみたいね。」

察したようなセバスチャンの一言に、パンダは素直に思っていることを話し始める。

「昔から皆勤賞って意味がわからなかったの。」

「それは、どうして?」

「毎日行くことがそんなにいいことだと思わないから。例えば、風邪を引いて熱を出したら休んだ方がいいでしょ?皆勤賞を目指すために、熱出しても無理していくって、周りに迷惑かけてるだけのただの自己満じゃない?ちゃんと休んで病院に行くなり休みを取る方がよっぽど体調管理できてると思う。」

「なるほどねー。」

その後にパンダは、毎日行くこと、毎日することを目標としていたら、皆勤のためにとりあえずやっとけばいいって気持ちから適当になって、後々パフォーマンスが落ちるのではないか、ということも言い始めた。

「だったら適度に休んでやる時に一気にやった方がいいと思う。」

「ちなみにあなたは皆勤賞だったことあるの?」

セバスチャンの問いかけに、気まずそうに目線を下に下げるパンダ。

「ないよ。体調が悪くて休むことが結構あった。部活もしてたから、毎日忙しくて。でも、普通に卒業できたし、看護師免許もとれたし。皆勤じゃなくてもやっていけるよ。」

「まあそうね。別に皆勤じゃなくてもやることやって、結果を出していれば文句はないわよ。」

「そうでしょ。やっぱり皆勤賞なんて…」

皆勤賞なんて意味がない、と言おうとしたところでセバスチャンは「でもね、」と口を開く。

「だからこそ皆勤賞に意味があるのよ。」

セバスチャンの真っ直ぐ向けられた視線に、無意識に重心が後方に動くパンダ。

「あなた、風邪を引いたり、熱が出てたら休んだ方がいいっていったわよね。」

「言ったけど…。」

「でもそれは土台間違ってるわ。」

どういう意味?と聞き返そうとしたパンダの心の内を見透かしたようにセバスチャンはふっと笑って「今どういう意味?って思ったでしょ?」と言ってきた。

そのまま黙って聞くしかないパンダ。

「そもそも体調管理ができてる人は風邪なんか引かないの。風邪を引いた時点で、もうその人は、体調管理は出来てないの。その体調管理も、手洗い、うがいをして、十分な栄養と睡眠をとって、風邪をひかないような行動を常日頃からしてるからよ。」

「それは、そうかも…ね。」

セバスチャンの正論に思わず頷くパンダ。

「で、でも、毎日することでパフォーマンスが落ちるってのはあるでしょ?だったら、やっぱり時には休むことも大切でしょ?」

「それなんだけど、あなたは少し勘違いしてるわよ。」

「え?」

またも予想だにしない答えに今度は素直に疑問の声を出すパンダ。

「皆勤賞って毎日行くものかしら?」

「そりゃそうでしょ。皆勤賞なんだから。」

「本当にそうかしら?学校でも、仕事でもちゃんと週に2日はちゃんとあったはずよ。公休が。」

ハッとするパンダ。

「確かに、あったかも…。」

「その休みで十分でないのなら、あなたの体力の配分の仕方に問題があるって話。つまり自己管理不足。」

そこまで言われてようやくセバスチャンの言わんとしてることがわかるパンダ。

「…つまり皆勤賞は、自分の力量をよく分かっている上で、日々の努力を欠かずに行動ができるという証ってことね。」

「その美しい証、表彰に値するでしょ。」

そうだよね。と返すパンダの表情にはようやく納得の2文字が伺えた。

 

*

 


私が皆勤賞を取るなんて簡単なことをできなかった理由、お分かりいただけましたか?

 


そう、コツコツ努力をするという根性がなかったからです。

コツコツ努力をするというのは、一見簡単に見えて、実はどんな賞をとるより難しいのかもしれません。

 


そうそう。

とある人が「毎日投稿で面白い人なんていない」と言っていました。

おそらくユーチューバーのことでしょう。

 


確かに毎日投稿することだけを考えて惰性で仕事をしていてはクオリティは落ちていくことは想像に苦しくありません。

 


でも、自分の力量を知った上でルールを決め、体調管理のためにも休みをきちんととりながら、コツコツ努力をすることが出来れば、毎日投稿でもクオリティは上がっていくのではないでしょうか?

 


私は、毎日ブログの記事を書いています。

これからも皆勤賞目指して頑張ります。