泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

大きな声でハキハキと

昨日で、以前勤めていた病院のことは最後にすると言っておきながら、ちょっとだけ追加でお話しをするわがままをどうかお許しください。

 


セバスチャンからのアドバイスをもとになんとか頑張ってはいましたが、状況はなかなか好転せず、以前の職場は私にとって想像以上に驚異だったようです。

その結果、結局辞める決断をいたしました。

 


やめるまでに至った経緯の詳細は最初の頃の、「小さな歯車だって錆び取りは必要」「変化を拒めば残るは衰退」という記事を読んでみてください。

 


今日の話はそんな以前の職場を辞めた後のお話です。

まだ新しい病院に就職する前なのでギリギリセーフということにしましょう。

 


私はよく小学生の頃、クラス担任に、「授業中発表をするときは大きな声でハキハキと元気よくしましょう。」という言葉を聞いていました。

 


私は注意されなくても、声は大きい方だった(今では声が大きいことでシーちゃんに怒られます)ので、教科書の音読をする際や、何か問題の答えを代表で言う時は、これでもかと大きな声で元気よく発表をしていました。

さて今日は前置きは短めにして、声の大きさについてのお話です。

 

*

 


その日パンダは、以前勤めていた職場に足を運んでいた。

借りていた物品を返しに行くためだ。

「これでようやくおさらばよ。」

そうセバスチャンに言いながら若干緊張しているパンダ。

 


いよいよ職場の扉の前に立つパンダ。

なかなか中に入ることが躊躇される。

当然だ。

パンダは逃げるようにしてこの職場を辞めているのだから、なるべく近づきたくないのだ。

「ちょっと待って。」

セバスチャンが中に入ろうとするパンダを止める。

「どうしたの?」

「いい?弱気になって小声になってはダメよ。何があっても堂々として。何か言う時は、大きな声でハキハキ言うことを意識して。少しでも声が小さくなったら相手はいい気になってあなたのこと舐めてかかるわ。意味のない説教を長々聞きたくないなら、私が今言ったこと絶対に守って。」

セバスチャンのアドバイスに「わかった。」と一言返し、深呼吸をして中に入っていった。

 


物品を返し、帰ろうとしているパンダを以前の上司が話しがあるからと止める。

その瞬間セバスチャンの言葉を思い出す。

弱気になってはダメだ。

程なくして、今後の就職についての話になった。

パンダは身構える。

というのも、この上司から以前『あなたはどこにいっても看護師として働くのは難しいと思う。』と言われたことがあった。

その言葉を受け、非常に悔しい思いをしたパンダはもう2度とそんな悔しい思いはしたくないと意を決してこう言った。

「ご心配ありがとうございます。すでに就職活動は進めているので大丈夫です。短い間でしたがお世話になりました。」

パンダの強い言葉に少し驚いた様子の上司は「…そう。じゃ、頑張って。」と一言返してきた。

「では失礼します。」

とハッキリ告げ、パンダは以前の職場を後にした。

その時の表情は、どこか清々しさを感じるものだった。

 

*


声の大きさって結構その人の印象を決定する大きな要素の一つだと思っています。

小声でボソボソ話す人は、自分に自信がないのかな、暗い人なのかなとという印象を受けますし、逆に大きな声ではっきり話す人は、明るくてはっきりとしていて強気な人なのかなと思ってしまいます。

 


私が以前読んだ本では、第一印象を決める上で声の調子という要素は38%を占めるらしく、声の大きさだけでなく、トーンや話し方も多いに印象形成に関わってくるということが書いてありました。

 


となれば、声の大きさ特徴は自分にとって見えない鎧となるわけです。

 


大きな声でハッキリ堂々と話すことができれば、相手はそれだけで迫力を感じ、変に強気になって舐めた態度を取ってくる可能性を下げてくれます。

 


自分が弱い立場にいる時ほど、堂々と。

弱いところを突かれないために。

 


明日から務めることになる新しい病院でも、この鎧さえあれば今までの私よりも上手くやっていけると信じて頑張ります。