泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

物事には必ず理由がある

風が吹けば桶屋が儲かる』なんて言葉がありますが、なぜ風が吹くだけで桶屋が儲かるんでしょうか?

 


意味としては、思わぬところに影響が出る、ということですが、風と桶屋の因果関係については案外理解していませんでした。

 


というわけで早速気になって調べてみると、風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶ、ということらしいです。

 


今現在で考えると、とんでもないこじつけに感じます。

しかし、この言葉が生まれたのは江戸時代。

現在よりも医療が進んでない約400年前の日本では普通のことだったのかな?と遠い過去に想いを馳せると同時に、どんなにこじつけでも、物事にはちゃんとした理由があるんだなと思いました。

 


今日はそんなお話です。

 

*


仕事中、パンダがとある処置をしようとしているととある先輩がツカツカやってきて、『それ、もう私がやるからいいよ。』とちょっと強い口調で言ってきた。

パンダが「私、…やりますよ。」と答えると、『いや、他にやることあるからね!?』とキレられた。

 


「もう意味わかんない。こっちは何もしてないのに、なんでいきなりキレられなきゃいけないのよ。いよいよ本格的に嫌われたのかも。」

「決断は早まらないことね。今日は特別機嫌が悪かったのかもしれないわ。何か心当たりないの?」

「うーん、特に何もしてないけどな。」

「変ねー。先輩が突然キレた理由、本当に思い浮かばない?」

そう言われて何か理由があったか考えるパンダであったが、やはり何も思い浮かばない。

「たとえば、イライラしやすい状況だったとか。」

「そう言えば、ちょっと前に風邪をひいたみたいで、今日も体調悪いって咳き込んでた。あと、全体的に今日は忙しくて鬼瓦先輩含め皆んなセカセカしてた。」

人は忙しい状況になると心に余裕がなくなってイライラしやすくなるものだ。

「なるほどね、他には?どんなに体調が悪くて忙しくても、あなたに対して何も思ってなかったら、いきなりキレるなんてことはないはずよ。本当に心当たりない?あなた、その先輩に声かける時どんな感じで話しかけたの?」

「あ…ちょっとびビビっちゃったかも。声も小さかったし。」

人は避けられたり、ビクビクされると意外と傷つくものである。

「整いました。」

「整いました?」

「先輩がいきなりキレた理由よ。まず風邪で体調が悪かった。体調が悪いと、体が敏感になる。体が敏感になると、ちょっとした刺激に影響を受けやすくなる。影響を受けやすい時に忙しくなると心の余裕がなくなる。心の余裕がなくなると、イライラしやすくなる。イライラしやすくなると、人に当たりやすくなる。人に当たりやすくなると、ちょっとした相手の態度にムカついてしまう。そこであなたが話しかける。声が小さい!キレる。」

「風邪をひけばパンダを叱る…?」

「物事には必ず理由があるのよ。でも追求してみたら、たいした理由ではないからあんまり気にしないことね。」

 

*

 


この世の全ての出来事は、何かの連鎖反応によって引き起こされる。

そう言っても過言ではないのかもしれません。

 


だとすれば、最初は、どうしてこんなことが起こるのか…自分はなんて不幸な人間なんだ、と思っていたとしても、物事の連鎖反応の根本にある物事を探究し、理解しようとしてみましょう。

 


案外悩むに値しないことで、頭がいっぱいになっていたことに、気づくはずです。