泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

真っ直ぐ整える

学生の頃、教室で授業を受ける前に先生からこんなことを言われたことありませんか?

 


『ちょっとズレてない?机真っ直ぐにしてー。』

 


私のクラスは特に人数が多かったので、当然列をなす人数も多かったのでよくこのセリフを聞きましたし、その度机の位置を調整してました。

 


当時の私は、授業を受ける上において、前を向いてさえいればどこに机があったっていいだろ、と。たった数センチしか変わらないのに、貴重な授業時間削ってまですることか。と。バリバリ思春期をぶっかましていました。

 


今日はそんな真っ直ぐに整えることについてのお話です。

 

*


看護師たるもの、環境整備は基本中の基本だ。

しかし、前にも言った通りパンダは片付けが苦手なので、セバスチャンに見てもらうことにした。

「片付けの練習って何?」

「私自分が生活できる範囲で綺麗だったら別にちょっと散らかってても気にしないの。角は丸くはわくタイプだし、タオルも四つ折りであれば別に適当でいいし。でも職場だったら、当たり前だけどちゃんと隅々まで掃除してとか、書類はちゃんと角を揃えてって言われるでしょ?だからまずは家でやれることから練習しようと思って。」

そう言うとパンダは、前にセバスチャンに言われてたように〔元に戻す〕を意識しながら掃除、片付けを始めた。

その様子をみていたセバスチャンは、綺麗に掃除はできているものの、パンダが物を置く時、定位置に置いているにもかかわらず、なぜか散らかっているように見えることに気がついた。

 


あ、そうか。

とその理由に気づいたセバスチャンは、ちょうど洗濯機を回そうとしていたパンダを呼び止めた。

「真っ直ぐを意識するともっと綺麗になるわ。」

「え?いきなりどうしたの?」

「これに関してはやった方が早いわ。先に机を片付けるわよ。」

と言って、セバスチャンはリビングの机を指した。

今、机の上にはティッシュ、衛生用具が入ったカゴ、リモコン、先日買った本、メガネ、メモなどが無造作に置かれていた。

「とりあえず、今は所定の位置を無視して、その場で全部真っ直ぐにしてみなさい。」

そう言われたパンダは言われた通りに机の上にある物を真っ直ぐ整えた。

するとどうだろう。

置いてた位置は変わらないのに何だか綺麗に片付いているように見える。

「まあ、要はメリハリね。人が見て綺麗に思うポイントは他とのメリハリがちゃんとついているか。斜めだと他のものとの境界線がボケて見えるの。そうするとメリハリがついていないように見えるでしょ?だから、定位置に置いても斜めだと、どうしても散らかっているように見えるの。逆に真っ直ぐだと置く場所が違ってもちゃんメリハリがついているから綺麗よ。だったら定位置に真っ直ぐ置く。綺麗にするやり方って意外と簡単でしょ。」

 

*

 


このやりとり、言われていることは基本中の基本で当たり前のことです。

 


でもその当たり前のことをいつの間にか無視して、自分に都合の良いようにしてやった気になっている。

 


私はこの気付けばこのパターンに陥ってます。

 


そのことに自分では気づかずに、後から人に気づかれて怒られ、やる気を無くし、物事が余計に上手くいかなくなる。

 

 

 

何かうまくいかない時は基本に戻ってやってみると、案外すぐにうまく行くのかもしれませんね。