泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

掃除をする時の私はソフィ

 


ついに映画歴代興行収入の一位の座に【鬼滅の刃 無限列車編】がつきました。

千と千尋が大好きな私は、とうとう抜かれたと、自分が作った作品でもないのに、ショックを受けてしまいました。

 


そんなジブリ大好き人間の私ですが、千と千尋の次に好きな作品が【ハウルの動く城】です。

 


イギリスのファンタジー小説魔法使いハウルと火の悪魔】を原作にしたこの作品の舞台は戦争真っ只中のヨーロッパ。帽子屋の長女ソフィーがハウルに助けられたことで、彼のことを付け狙う荒地の魔女に目をつけられ、90歳のおばあちゃんになる魔法を一方的にかけられてしまうことで物語は動き出します。

自分に自信がないソフィーと、孤高の美青年であるハウルとの戦火の愛が美しいこの作品が私は大好きです。

 


そんな大好きな作品のヒロインが今日の話には出てきます。

 

*

 


今日休み。

パンダはもうすぐお昼だというのに未だ布団の中でゴロゴロしている。

「そろそろ起きたら?」

「…うーん、そうだねー…。」

セバスチャンの言葉に、パンダはゴソゴソ動き出し、一枚の布団を、まるで重厚な鉄扉を持ち上げるかの如く、ゆっくり持ち上げた。

「久々に何もないんだし、掃除でもしたら?」

「うーん、掃除ね…掃除…しなきゃね。」

パンダは掃除が大がつくほど苦手だ。

ほとんど嫌いと言っても過言ではない。

いくら仕事のための練習と言っても、嫌いなのだからまずやる気が出ない。

「…掃除は後でも良いし。とりあえずYouTubeでもみよー。」

と、この有り様だ。

見かねたセバスチャンが、どうにかできないか考えた末「これよ!」と、とある案を閃いた。

「あなたソフィーになりなさい。」

「…また、いきなり変なこと言い始めた。」

セバスチャンいうソフィーとは、パンダの大好きな「ハウルの動く城」に出てくるヒロインのソフィーのことである。

「ソフィーはハウルの城に『私は掃除婦だ。』って押しかけて、勝手に城中を掃除をするほどの綺麗好きよ。それに、料理や洗濯といった家事全般得意なようだし、おかげで、あの女の子たらしの美青年であるハウルの心を唯一射止めた、と言っても過言じゃないわ。だとしたら、家事ができる女性はそれだけ魅力的ってこと。あなたも、将来射止めたい男子のために、ソフィーになりきって、この家の掃除でもしてみれば?」

確か、ハウルは少年の頃にソフィーに出会っていて、その時からソフィーを探していたから、ハウルがソフィーを好きになったタイミングに家事は関係ない、と思うパンダであったが、将来射止めたい男子のために、という言葉は気に入ったらしい。

「うーん、なるほどね〜。だったらお風呂場の呪いはいじらないようにしないとねっ!」

フンフンフーンと鼻歌でも歌いながら箒を取り出してくるパンダを見て、セバスチャンはやれやれと言った様子でパンダのことを見守っていた。

 

*


冒頭でも言ったように、ジブリが大好きな私にとって【ハウルの動く城】は、私の人生に大きな影響を与えてくれた作品の一つです。

(教科書以外に初めて読んだ本が「ハウルの動く城」でした。)

この作品の中で、ソフィーが城中を掃除するシーンは物語の重要ポイントとして描かれています。

 


苦手なことでも、好きな作品のヒロインになりきれば、少しは楽しくやれるかと思ったのですが、これが効果的面。

元々自分の世界観が強く、妄想癖のあった私はこの方法で大がつくほど嫌いだった掃除を楽しく行うことが出来るようになりました。

 


ズボラでも掃除が楽にできる方法はいくらでもありますが、手っ取り早くモチベーションを上げたほうがスムーズに取り組めるものです。

 


あなたもなりきってみませんか?

自分の苦手を、進んで取り組むヒロインに。