1日も無駄にしない
20代になって春夏秋冬、太陽がやたら早く沈むなと思っている今日この頃、油断すると休みの日はぼーっと過ごすだけで終わってしまうことがよくあります。
前日に23時以降に就寝しようものなら、次の日目が覚める頃には既に昼前なんてことがしょっちゅう。
この記事を書いている今日だってそんな休日でした。
YouTubeやその他動画サイトをなんとなくみているうちに長針が短針をグングン追い抜くので、お昼頃に書くつもりだったこの記事をやっと書き始め只今の時刻は17時28分。
なんともダラダラした1日を過ごしそうです。
しかし命短し恋せよ乙女。まあ、恋は置いといたとしても短い命を無駄遣いするほど私は贅沢な人間ではないので“無駄な1日”を過ごすことは避けたいです。
今日はそんな1日も無駄にしないことについてのお話です。
*
1日何もせずにぼーっとしていたパンダにセバスチャンが声をかける。
「あと7時間で明日が来るわよ。」
そんな声にパンダはうーんと両手をあげて背伸びをする。
「…どうも時計の針の進みが早すぎる。」
「時間は全人類平等に与えられているわよ。」
既に窓の外は濃い青色に染まりつつあった。
パンダは部屋の電気をつけるために立ち上がり、リビングの灯りをつける。
「にしてもさっきまでお昼だったのに、ちょっと用事を済ませて帰ってきたらもう部屋の明かりをつけなきゃいけないなんて、冬は本当に日が落ちるのが早い早い。」
パンダのちょっとした用事とは、コンビニで国民の義務を果たすことと、ポケットに入れたままにしてどこかに消えていった印鑑の代わりを買うための外出のことで、ほんの1時間もかからないような用事だった。
「お昼過ぎまで寝てて、ぼーっとYouTubeみてたら、そりゃとっくに日は沈むに決まってるでしょ?冬であることは関係ないと思うわよ。」
セバスチャンはやれやれといった感じだ。
「なんか1日無駄にしちゃった気がする。」
「このままだったらね。」
そのセバスチャンの一言はまるで、「でも私のいうことを聞けば無駄になりそうな1日を有意義な1日にできますよ。」と言わんばかりの口調でパンダに耳に届いた。
「何か策があるなら聞こうじゃないの。」
「別に策って程のものじゃないけど。今日一日何もしてないと思った時は本を読めばいいわ。」
「本?」
確かにパンダの部屋には、読もうと思ってそのまま棚のスペースを埋めるだけのインテリアと化してる小説やら参考書が何冊かある。
「そう。何かしら読んだことのない本を1ページでもいいから読み進めるの。」
「確かに本を読むことは好きだけど、それだけで1日無駄にしないことになる?」
素直に半信半疑の表情を浮かべるパンダにセバスチャンは自信満々に当たり前でしょと答える。
「読んだことのないページを読み進めるということは、それまで知らなかった世界に足を踏み入れてるの。おかげで昨日までの自分が知らなかったことを、その瞬間から知っているのよ。」
セバスチャンの言いたいことはつまり、何かしら本を読めば今まで自分が知らなかった知識や教養を頭の中に入れた状態で明日を迎えることができるよということだ。
「なるほどね。少しでも頭の引き出しを埋めることができれば、その日無駄に過ごした1日だったってことにはならないってことね。」
昨日の自分より賢い自分。それが365日続けば1年後には相応に賢い自分が待っていることだろう。
「別に本じゃなくてもいいけど。映画を見たり、筋トレをしてみたり。たった10分でもいいから何か自分のためになることをするの。そしたら、昨日の自分より今日の自分。今日の自分より明日の自分って少しずつレベルアップすることができるし、1日も無駄にすることはないのよ。」
それもそうかと納得したパンダは早速妹のシーちゃんに借りた自己啓発本を手に取った。
「これ明日中に返せって言われてたんだよね。」
「それはさっさと読みなさいよ。」
*
こう考えるようになったのは今の職場で前日の仕事内容について上司と振り返りを絶対にするようになったからです。
私は精神科に勤めているので教科書では知れない仕事の仕方を求められる時が多々あります。
そんな時、その道のベテランである上司に(時には先輩と)患者さんとの対応で困ったことを相談して解決策の提案や、症状の解説をしてもらうことで少なくとも明日以降の自分は今日までの自分よりも多くの選択肢持った状態で仕事を行うことができています。
それをプライベートにも取り入れようというのが今日の記事で言いたいことです。
1日今日はぼーっとしちゃったなという時は、寝る前に読書を。
明日の自分を賢くするのは、今日の自分です。