泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

ハッピーバレンタイン♡

2/14は待ちに待ったバレンタイン。

誰から貰えるかソワソワしてる男子はあなた?

 

チョコをもらったところで、お返しが面倒だなぁとか思って、マスクの下はニヤニヤ顔なのはあなた?

 

本命、友達、義理…さまざまな渡し方があるこのイベントですが、私は思春期にこのイベントのせいで公開処刑を味わったので、それ以来この時期がトラウマです。

 

今日はそんなバレンタインデーについてのお話です。

 

*

 

パンダがYouTubeでお菓子作りの動画を見ている。

「職場の人にあげるの?」

隣でセバスチャンがそう尋ねる。

「いやー。いろんな人に聞いたけど、みんなあげないっぽいし、それで新参者が変に持っていってブツブツ言われるのも嫌だからやらない。」

動画から一切目を離さないで、そう答えるパンダ。

「そもそもバレンタインって、余程のリア充じゃない限り、男女どちらも得をしない面倒なだけのイベントをよくもまぁここまで広めたもんだよね。お菓子メーカー様天晴れ、ハハッ。」

変わらず画面を一点凝視し、乾いた笑いと、闇を見据え遠くを見つめるような表情でそう毒づくパンダに少しばかりの恐怖を感じるセバスチャン。

「しかもよりによって、女の子が好きな男の子に告白するーって。大体バレンタインの起源は、聖バレンチヌスが時の皇帝に反抗して殺されたことが起源なんだよ?人の死んだ日に、それも処刑された日に、好きですって告白したりされたりして浮かれるって倫理観ぶっ飛びすぎでしょ。」

パンダの言ってることは間違ってないし、むしろ合ってるのだが、なんだろう、そこまで言わないであげて感がセバスチャンの中で芽生える。

「あなた、バレンタインデー嫌いなの?」

「別に好きでも嫌いでもないけど。そういえば、私昔好きな男子にチョコあげたのさ。バレンタインデーだからって。そいつのクラス行って。私はそんなつもりなかったのに、クラスメイトにわざわざ連れて行かされてクラス中で渡してさ。でも渡せたからいいよ。その後どうなったと思う?私のクラスの前で、友達がひそひそ話してるの。それで私を見た瞬間、中に入らない方がいいって。でも、そんなこと言われたら気になるでしょ?だから入ったの。そしたら私があげたはずのチョコが私の机にポツンと合って。しかも、開封した様子もなく渡したままの状態で。それでね、ごめんなさいって付箋が付いてたの。それ見て、あーそういうことって。」

突然暴露された過去のトラウマに、セバスチャンはさっき芽生えた感情をすぐに刈り取った。

「なんでそうなったかって言うと、そいつのクラスの女が、今すぐ食べるか、捨てるか、返すか誰かにしろって言ったぽくて、それで返すを選んだらしい。怖いよねー女子って。だからね、私にとってバレンタインデーっていうのはその日以来、女の怖さが垣間見える日、なのよ。」

ここまで聞くと、逆にこのエピソードをなんの感情の起伏もなく淡々と話すパンダが大人なのか、トラウマのせいで感情が欠落してしまったのか分からない。

「でも可愛いチョコが出回るこの時期は、甘党でありチョコ大好き人間の私からすれば幸せな時期でもあるよ。それにお菓子作るの好きだし。」

だったらもっと幸せそうに話さんかい。いってることと表情のギャップありすぎでしょ。と、死んだ魚の目でそんなことを言うパンダに、セバスチャンは心の中でツッコむ。

「ま、今の職場の男性陣はみんな既婚者だし?女性陣もチョコ菓子くらいはシェアするかもだけど、わざわざ交換とかはしないんだろうから今年は大人しくしとこってね。」

動画を見終わったタイミングで、やったセバスチャンの方を向いたパンダ。

その表情は、怒りも悲しみも羞恥もなく、かといって期待も楽しみもなく、ただただ無であった。

「そ、そうね。そうしましょ。バレンタインデーなんてただ世間が言ってるだけだしね。うん。」

そんなパンダの無の表情に、珍しく圧倒されてしまったセバスチャンであった。

 

*

 

と言うことで私のバレンタインデーの思い出について書いてみたのですが、みなさんはどんなバレンタインでしたか?

 

また、今年のバレンタインはいい思い出ができましたか?

 

是非聞かせてくださいね!

 

でもこんなご時世です。

まずは自分へのご褒美に一つ美味しいチョコレート買ってみませんか?