泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

美しさは信頼の証

ここで一つ私から質問です。

 

みなさん美しいものは好きですか?

 

この質問に対する答えは、イエスではないですか?

よほどの変わり者を除いて。

 

ではもう一つ質問します。

 

なぜ美しいものが好きなのですか?

 

さあ、あなたはどうお答えになりますか?

 

今回はそんな美しいという概念についての私なりのお話です。

 

*

ある時パンダはこう思った。

「人はなぜ美しさを求めるのだろう。」

「何急に。最近のマイブーム哲学?」

「違うよ。身だしなみしかり、物の置き方しかりとにかく綺麗にしなきゃいけないじゃない?当たり前のことだし、汚いより綺麗な方がもちろんいいに決まってるから意識して綺麗にするようにはしてるんだけど、なぜ人はそこまで美しさや、綺麗さを求めるのだろうって。」

世間の皆様が疑問を持たずにやっていることが変に気になるのは、パンダの性分である。

「そんなこと気になってるの、地球上であなたくらいなもんだけど、この美しい私が一つ言うとすれば、美しさは信頼の証なのよ。」

「信頼の証?信頼っていうのは人柄とか実力でしょ?なんで見た目の美しさが中身に関係するのよ?」

「ほんとおバカちゃんね、あなた。良い?人間は受け取った情報をただストレートに受け取るだけじゃないのよ。受け取った情報から派生する情報もトータルで受け取って評価するのよ。たとえばスタイルがよかったらストイックで自己管理がしっかりしてるんだなとか、身嗜みがきちんとしてたら、この人ちゃんと細かいところにもしっかり目がいく人なんだなって感じでね。そこからまた派生して、こんなに自分のことをちゃんと気にしてるんだから、きっと細かいとこまで目がいくんだろうなー、そこまで目がいくなら気遣いのできる人なんだろうなー、気遣いができるなら仕事もきっと丁寧だろうなー、こうやって人はイメージを作って、よし、じゃあ、この人に物事を頼んでみようって、そうなると思わない?」

「お…思います。」

本当におっしゃる通り、さらにセバスチャンは誰もがうっとりする容姿端麗な美青年。そんな彼から美しさは信頼だ、なんて言葉を聞いたらあまりの説得力に頷くしかない。

「でしょ、じゃあ、逆にぐちゃぐちゃだったらどう?」

「少なくとも細かいところはどうでもいいんだなーって思っちゃうかも。」

「ってなったらその人に対してちょっと不安が残るじゃない?不安が残ったら、本当に任せて大丈夫かな?って疑いが出てくるでしょ?だから美しさは信頼の証なの。それに大まかな見た目だけ綺麗にして細かいところが抜けてるのなんてもっとダメよ。最後まで綺麗にする時間がなかったのかも、時間に余裕がなかったのかな、ギリギリで行動する人なのかな、そもそも気づいてないのかな、だったら最後の爪が甘いのかもって、ネガティブな印象を与えるリスクだけ上がっていくわ。そうなると信頼獲得までにどれほど時間がかかることか。良い?人の印象は第一印象で決まるのよ。」

 

*


人は見かけじゃない、なんてよく耳にしますけど、見た目がその人の中身を1番素直に表しているんですよね。

はっきり言いましょう。

この世は悲しいかな、見た目が全てです。

 

少なくとも私が生きている世界は。

 

そんな世界に生まれてしまったからには、少しでも美しさを求める方が、物事は案外簡単に上手く進むのかもしれないですよ。