泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

今日は運命の人に出会える日

あなたは運命の赤い糸が、自分の小指に結ばれていると思いますか?

そして、その先に誰かがいると信じていますか?

 


よく耳にします。

 


『あなたは運命の人。』

 


こんなこと言われてみたいですね。

 


ではもし、運命の人が本当にいるとして、その人といつどこで出会えるんでしょう?

 


今日はそんなことを考えて日に思ったことを綴っていきます。

 

*


今日のパンダはワイシャツにかけるアイロンを買いに行くために、父親とすぐ近くのホームセンターに行く約束をしていた。

どうせマスクをするし、ちょっとした買い物に行くだけだと、パジャマから外行きの格好に着替えて、髪の毛を梳かすくらいの準備しかしてないパンダにセバスチャンはこう囁く。

「今日運命の人に出会えるかもよ。」

「…そんなことあるわけないでしょ?」

「どうして?」

「田舎のホームセンターに、そんなロマンチックなシーンが用意されてるわけないでしょ。誰かに会いに行くわけでもないし。」

「どうしてそんなこと言い切れるのよ。探してる商品がなかなか見つからなくて、店員さんに聞きに行ったら、その店員さんがめちゃくちゃ魅力的な人かもしれないじゃない。たまたま同じ時間に買いに来てたお客さんに一目惚れするかもしれないわよ。そんなことが100%ないって言える?」

そんなことを言われたパンダの目に、鏡に映った自分の姿が映る。

そこには髪は櫛で梳かしただけ、マスクをつけるからと日焼け止めも塗らずに外に出ようとしているすっぴんの女が映っていた。

「運命の人に、そんな格好で会いに行くの?」

「…ちょっとメイクぐらいはするべきかも。」

パンダはそう言って鏡の前に座り、日焼け止めを塗り、上からファンデで押さえ、眉毛を綺麗に整えて、アイシャドウを目元に軽く乗せた。

それだけじゃ足りないと思ったのか、前髪を整え、髪を一つに束ねていく。

 


すると、先ほどすっぴんで外に出ようとしていた女は、ナチュラルメイクのきちんとした女性に変化をしていた。

「こんな感じ?」

「やっと運命の赤い糸が結ばれたわね。」

 


いくらお洒落が好きとはいえ、メイクに限らず身支度というのは意外と手間がかかるので、ちょっとした買い物に行くくらいで、わざわざという気持ち。

 

すごく分かります。

 

私も面倒くさがりな人間なので、ちょっとしたことでわざわざ手間がかかることはしたくないです。

誰に見せるわけでもないなら、なおさら。

 


ただ、自分は見せるつもりがなくても、意外と周りには見られているんです。

 


その周りにもし運命の人が紛れ込んでいたら…。

 


ちなみに、この日のメイクは、マスクをするので目から上を軽くメイクしただけです。

日焼け止めを塗ってファンデを薄く乗せただけ、眉マスカラで眉毛を整えただけ、アイシャドウも指でぽんぽんと塗っただけです。

髪だって、前髪をアイロンで整え、後はゆるゴムで一つに結んだだけ。

 


ほんの5、6分の手抜きにも程がある身支度ですが、これでも、何もやってない時に比べたら雲泥の差があります。

 


大事なのは、この人きちんとしてるな。と思ってもらえること。

相手にちゃんと自分を見つけてもらえるために。

 


運命の人は、あなたが外に出た瞬間から、あなたのことを待っていますよ。