泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

きのこ派とたけのこ派

某お菓子メーカーのチョコ菓子では、きのこ派たけのこ派かなんて話がちらほら出てきます。

 

ちなみに私は、チョコ大好きなのでチョコが食べれるならどっちでもいいです。

 

だいたいどっちも美味しいんだから、どっちが上か下かなんてどうでもいいと思うんですよねー。

 

今日はそんな派閥争いについてのお話です。

 

*

 

仕事帰りにコンビニによったパンダは、チョコ菓子のコーナーの前でこんなことをいう。

「近からず遠からずって大切だと思わない?」

「またいきなりなんの話?」

そうやって聞いてはいるものの、おそらく派閥争いのことを言ってるんだろうなーとは察してるセバスチャン。

「どんなにいい人でも、全てのやり方が正解なんてことないし。えー?って思うところがある人でも、正しいことを言ってる時だってあるじゃない?」

人間は完璧ではないし、かと言って完全に悪い人はいない。

「職場の人間関係で大切なのって、職場の人と仲良くするんじゃなくて、職場の人と中立な関係を築くことなのかもしれないわね。」

「まぁ、でもそれが1番難しかったりもするんだよね。」

人は弱いから、つい愚痴をこぼしたくなる。

愚痴をこぼして分かってくれた人は信頼しやすいし、分かってくれる人がいればより自分の嫌いな人を嫌いになりやすい。

永世中立国であるスイスがなんでそうあれるか分かる?」

「国連で宣言したからでしょ?」

「それもあるけど、それを長いこと続けられる理由はそれだけじゃないわ。」

そう言われて、少しうーんと首を傾げるパンダの姿を見て、セバスチャンはこう続ける。

「スイスはね、無敵の軍をもって自分の身は自分で守ってるのよ。」

「平和な国かと思ってたけど、割と攻撃性は高いのね。スイス。」

「どんなに綺麗事を言ってる人でも、自分の派閥に属してる人と属してない人だったら、属してる方を可愛がるし、守ってくれる。多分無意識にね。」

なんとなく想像はつくなーとうんうんと頷くパンダ。

「それでも中立を保つと言うことは、それだけの実力を身につけなきゃいけないの。愚痴をこぼさず、文句も言わず、自分の仕事を淡々と行い、相手に深入りしない。でも、完全に孤独というわけではなく、誰からも頼り頼られる存在でないといけない。そうやって実力をつけていくの。」

「やっぱり中立でいるってのは、それだけ強い意志と実力があってこそよね。今の私に出来るのかな。」

ここ最近落ち込み気味で、自信を無くしてるパンダは、やはり自分みたいな弱い人間は派閥に属さないといけないのでは?と弱気になってしまう。

「まずは一生懸命仕事をするの。それだけ。誰にも文句を言われないし、言わせないくらいの知識と実力をつけるにはそれしかないわ。それぐらいあなたにも出来るでしょ。」

ニコッと笑うセバスチャンのその言葉聞いて、パンダは目の前のチョコ菓子を手に取る。

「きのこもたけのこもどっちも美味しいよね。」

そう言って二つのチョコ菓子をレジに持っていくパンダの表情は、少し和らいでいた。

 

*

私は学生の時からグループや派閥といったものが苦手で、常に1人でいました。

しかし、それは誰とも仲良くないというわけではなく、正確には、誰とでも仲はいいし、誰とでも仲良しではないということでした。

この状況を言うならば、八方美人というわけです。

誰にでもいい顔をするという点では、あまり褒められたことではないのかもしれませんが、私の学生時代はこれで心の安寧を図ってきました。

そんな学生時代を過ごしてきたわけですから、社会人になっていきなりグループつまり派閥に入ってうまいことやるなんて、土台無理な話だったと最近気づきました。

 

私には私のやり方がある。

1人でいることも、悪くはないから。