困った時に動かすもの
道端で人が倒れています。
無視するわけにはいきません。
では、どうしましょう?
正解は、安全を確保してまず駆け寄り、両肩を叩きながら「大丈夫ですか?」と声をかける、です。
その次は何をしますか?
意識がない、息もしてない、脈拍はかろうじて拾える。
よし、胸骨圧迫だ!
と思った方、半分正解で、半分不正解です。
胸骨圧迫をしながら、周囲の人にAEDを持ってきてもらったり、救急車を呼んでもらうように声をかける、これができたらパーフェクトだと以前消防士さんに教えてもらいました。
詳しく知りたい方はgoogle先生に聞いてみるか、救急処置の講習を受けてみてくださいね。
おっと今日は救急処置の話ではないですよ。
今日は困った時にまず何をするべきか、自分なりに考えたことについてのお話です。
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パンダは仕事で困った時や、今までに体験したことがないことに直面するとその場に固まってしまう。
「どうしようってなって、次になんとかしなきゃってなるの。」
「まあ、放っては置けないからね。なんとかはしなきゃいけないわよね。」
「でも、経験がないから、どんなに考えても、自分がどう動くべきか分からない時が結構あって。それで、分からないくせに、早く次の行動に行かなきゃいけないって焦ってるから、余計にまともに思考できる状態じゃなくなっていくわけ。それで結局、焦って無理矢理答え出して、自己判断でそれを実行しちゃって。結局、ほとんどの場合、間違ってるよって後で指摘されるか、上手くいったとしても、自分で自分の首絞めるやり方を選んじゃってるというか。めちゃくちゃ効率の悪い方法を選択しているって感じなの。」
今日のパンダはいつもより反省色が強い様子。
そんなパンダの話をいつものようにうんうんと聞くセバスチャン。
一通り話を聞き終えるとセバスチャンはうーんと考えた後、「あなたは動かすものを間違えてたのね。」と言って口を開いた。
「どう言うこと?」
「困った時に動かすのは口よ。」
「口?」
「そう。あなたは無意識のうちに困ると頭で考える癖がついちゃってるのよね。でも、経験がないうちに頭を動かしても、意味ないわ。だって、出すべき答えを知らないんだから。頭を動かせば動かすほど、焦るばっかしで、頭が真っ白になるのは当たり前のことよ。そんな時は、自分が困ってることをさっさと意思表示するために口を動かすべきね。」
「私今困ってますって言うの?」
「そうよ。まあ、言い方はちゃんと勉強してね。もし、患者さんの急変でその場を動いちゃいけない時は、大声で助けを呼ぶなり、近くのナースコールを押すなりして、自分が困っている状況を他の人に分かってもらう。とにかく、困ったら動かすのは頭じゃなくて口よ。」
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“なんとかしなきゃいけない”という使命感は、とても大切ではありますが、時に自分の首を絞めてしまいます。
何かしなきゃいけないけど、自分では対応できない…と思った時は、まず、何も考えずに、対応できる人を頼った方がずっと楽ちんです。
さらに、その対応の仕方をその時学べば、自分の引き出しがまた一個増やすことが出来ます。
結果的には一石二鳥で賢い生き方です。