泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

1円も無駄にはしないけど

今日は昨日に引き続きお金の話です。

 

突然ですが、皆さんは老後2000万問題というのをご存知ですか?

金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループが公表した報告書を発端に話題となったこの問題は、簡単に言うと妻60歳旦那65歳の無職夫婦が老後30年間生きていくとしたら2000万円の赤字になるという内容です。

 

一応計算してみたのですが、仮に私が月に30,000円を貯金した場合、55〜56歳の時に20000万貯まるみたいです。

 

月日は長いですが、今の現状を維持すればいずれ貯まる金額であることが伺えます。

 

しかし、人生そうは問屋が卸しません。

 

今日はそんなお金の向き合い方についてのお話です。

 

*

 

パンダがiPhoneの電卓を叩きながら何かを呟いてる。

「親への仕送りと、奨学金の返済、カードローンが今月割とあるからこれぐらいで、あと時計の修理代と、友達の誕プレ代と、あと携帯代と、あ、そうだ。住民税払わなきゃだった。ってなると…うわ、今月残るのたったこれだけ?」

iPhoneの画面には14200の数字が。

「これじゃ貯金できないよ…。いや、待ってもしかしてマイナスになるかも。美容室予約してたっけ?」

カレンダーを急いで確認すると、確かに美容室の予約がそのカレンダーには可愛らしい絵文字で表記されていた。

パンダは見栄っ張りちゃんなので、ちょっと遠出していつもいい美容室に通っている。

「これは詰んだ。お金なさすぎ。貯金できないじゃん。やっぱり、夜勤入ってないからまだまだキツいなぁ…。何か削る?美容室?でも、予約しちゃってるしなー。うーん、他に削れるとこは…親への仕送り?減らしてもらう?いやでも今まで散々融通利かせてもらって、ちゃんと給料はいったら払うって言った手前、減らしたら家追い出される…え、削れるとこ…ない。」

圧倒的絶望。

今の病院に入って1ヶ月も経ってないパンダは、夜勤はもちろんしてないし、なんなら日勤ばかり。

期待できる給料の額で計算すると、

いやいや、計算間違ってるかも。もう一回!と1から計算し直すパンダに、セバスチャンは「もう辞めときなさいよ。」と半ば呆れ気味に制する。

「いくら計算したって今月のお金がガクッと増えることはないわよ。現実を受け入れなさい。」

「…分かってはいるんだけどさぁ。どうしても気になっちゃって。はぁ、お金ないの辛すぎ。どうしよう。」

そう言って机に突っ伏すパンダを見て、セバスチャンはん?と首を傾げる。

「やっぱり、12月1月ほとんど働いてなかったからなぁ。覚悟はしてたけど、毎月マイナスはキツいって。絶望的にお金ない。貯金があるからまだいいけど。」

「そうよ。あなた貯金があるでしょ?」

そう。パンダはお金ない、お金ないとは言うものの、ちゃっかりまとまったお金は貯金していた。

決して多くはないが、生活に絶望し苦しむほど少ないわけでもなかった。

「いや、それはそうだけど。でも、あれはなんていうか。そのー。」

なんとも歯切れが悪いパンダ。

「別に定期預金とかじゃなくて、普通に自分が貯めてるだけの貯金でしょ?自由に引き出せるでしょ?」

「自由に使っていいのは良いんだけど、そのーあんまりー使わないほうが、いいんじゃないかなー?って。へへへ。」

ヘラヘラ笑うパンダを見て、ははんと目を細めるセバスチャン。

「さてはあなた、貯金が趣味な女ね。」

ズバリそうでしょ!と親指と人差し指を出してそう言い切るセバスチャンの姿を見て、思わず後退りする。

「貯金は趣味じゃないわよ。ほら何かあった時のためっていうか、将来のためっていうか。」

「いいや、別になんの制限もないのにそうやって漠然とした理由で頑なに貯金を崩そうとしなかったり、貯金が十分にあるのにお金がないない言って、真っ先に貯金の心配をするあたり、あなたは貯金が趣味の女よ。」

ギクリ。当たってる。

ポリポリと頭をかいて、目線を逸らすパンダの心境はセバスチャンにはお見通しだった。

「確かに若いうちからの貯金しておけば、まとまったお金が必要なときに役に立つわよ。例えば、実家を出て一人暮らしをしたり、結婚をしたりね。でも今のところそんな大きなお金が動く予定ないでしょ?」

「そ、そうだけど。」

口を尖らせるが、もう言い訳はしないパンダ。

「お金っていうのはただの物を買うための道具なの。資本主義の世の中だから、あたかもすごい価値があるように見えてるだけで、その実ただの便利な道具なの。」

そしてセバスチャンはだからね、と言ってこう付け加えた。

「お金は使うことに価値があるの。」

セバスチャンの言うことは、言い換えると「お金そのものには価値がない」とも捉えられた。

確かに我が日本国の最高紙幣である一万円札こと諭吉はその価値自体は1円程度である。

「だから、今持ってる貯金に拘って、お金がないだの、苦しいだの言って何かを我慢なんて損よ。もちろん、ギャンブルで溶かすみたいな無駄遣いは良くないけど、自己投資や自分がピンチの時に使うぶんの貯金崩しはアリ。というか貯金の本来の使い方ってのはそういうものよ。」

そう言われてパンダは、目を右へ左へ泳がせながら小さく頷く。

「なるほどね。ケチケチするのは良くないもんね。」

「そうよ。1円も無駄にはしてはいけないけど、ケチな女は魅力半減よ。」

 

*

 

今日は私のお金の考え方を書いてみました。

 

ここで言いたいのは、私は貯金は意味がないことだと言いたいわけではない、ということです。

 

むしろ逆です。

貯金は絶対必要です。

 

過去の私が貯金をちゃんとしてなかったら、おそらく親に土下座して借金をしていたと思います。

 

いやー考えるだけで鳥肌が立つ。

恐ろしい。

 

ですが、その貯金に変に拘って必要な時にすら使おうとしないのはどうなんでしょう?

 

それに加え、お金がない、自分は貧乏だと言ってるのって側から見てるとどう思うのでしょう。

 

私の一個人の意見ですが、なんだかそれはとても寂しいことのように思えます。

 

みなさんは貯金についてどう思いますか?

お金の価値はどこにあると思いますか?