泣き虫パンダと慰め役のセバスチャン

不器用な新人社会人が世の中を生き抜くための処世術

天狗が出鼻を挫かれるのは高い鼻が目立つから

最近グーグル先生に何か教えようとしてもらおうとすると、よく検索してるからか、お笑い芸人さんについての話題を聞いてもないのに教えてくれます。

 


全然興味ないのに。

 


とはいえ、ちょっとは気になってしまうのでたまに聞いてしまいます。

この前聞いた話によると、とある芸人さんがかっこよく映りたいがために、演出に口を出すようになったので干されかけてるとのことでした。

 


あ、そうそう。

お笑い芸人って女ファンがつくと天狗になりやすい。とも言ってましたね。

 


天狗っていうのは、すぐに調子に乗って自分に自惚れてる人のことを言いますが、かく言う私もすぐに天狗になりやすいです。

 


今日はそんな天狗についてのお話です。

 

*

 


仕事場から帰ってきたパンダは得意げな顔をしていた。

「そんな顔してなんか良いことでもあったの?」

いかにも聞いて欲しそうな顔をしていたパンダの思う壺と思いつつ、その壺をあえて買ってあげるセバスチャン。

「今日ちょっと褒められちゃってさー。」

フフっと笑いながら、今日あった出来事を話し始めるパンダ。

その内容を聞いてみると、どうやら難しい課題をサラッとクリアしたことで諸先輩方から褒められたようだった。

「私でもクリアする自信なかったのに、ナイスだよ!だって。やったね。」

その言葉を聞いて、セバスチャンは良かったじゃない。とは言ってくれるが、そう言っている表情は晴れのち曇り。

もちろんそんな曇りの気配を、パンダは感じ取らずにはいられなかった。

「何その忠告したそうな顔。」

「バレた?」

「やっぱり。」

パンダがゴクリと生唾を飲んだ瞬間、セバスチャンが口を開いた。

「天狗は何と言ってもあの高くて長い鼻が特徴的よね。」

てっきり厳しい言葉が飛んで来るのかと思っていたパンダは、どこからともなく出てきた“天狗”の話に結構強めの口調で「は?」と返す。

「あんだけ目立ってると、何だかへし折りたくなるわね。」

「いきなり過激すぎない?」

「初っ端から調子に乗ってるとそう思われかねないわよ。」

思わぬタイミングで辛辣な矢が届く。

「褒められて調子に乗って、自惚れて、過剰の自信がつけると、鼻はどんどん高くなって、伸びていって、そしてへし折られるわよ。」

続々と辛辣な矢が油断していたパンダを突き刺す。

セバスチャンが言いたいのは、ようは“ちょっと褒められてぐらいで得意げな顔するな”ということ。

「褒められたことはすごいと思うけど、調子に乗ると出鼻を挫かれるわよ。」

厳しい言葉に、素直に反省してしまうパンダ。

「はーい。」

と小さく返事する。

 

*


謙虚に頑張ろうとは常々思ってはいるんですが、もともと調子に乗りやすい性格の私は、こうやって褒められると「やったー!褒められた!」と喜んでしまいます。

もちろん褒められることをしたのは凄いことですし、褒められて伸びるタイプの私は、こうやってやる気をつなげていって仕事のモチベーションにしているので、積極的に褒められたいのですが、すぐに得意げになるにはちょっといただけません。

 


目立った鼻は、すごく目立ちます。

 


褒められたことは、そっと自分の心に中にしまって大切に保管しておきましょう。

人前では決して調子には乗らずに、謙虚に、真面目に仕事をこなしましょう。

ニョキニョキと伸びる高い鼻は、早めに引っ込めておきましょう。

 


あなたの大切な出鼻を挫かれないために。